カラーモジュレーション塗装
2011年5月27日 (金)
2010年6月12日 (土)
なんちゃってモジュレーション その3 <迷彩と影入れ>
とりあえず基本色でのモジュレーションをかけましたが、前にも書いたように良いのか悪いのか自分ではよく分かりません。
そこで、違う目で見てもらうためにも、IFVのマルタケさんに一度見てもらうことにしました。
マルタケさんは、周知のとおり模型誌でMIG氏やアダム・ワイルダー氏といった海外モデラーの作例記事の翻訳をなさっており、当然彼らとも親しいうえ、ご自身も世界的に活躍されているモデラーです。目も肥えておられるので、こういうときにアドバイスをいただくには絶好のお方です。
本当はIFVの例会に持っていっていろんな方に感想をうかがうつもりだったのですが、急に行けなくなってしまいました。そこで、マルタケさん宅まで出向くことにしたのです。
マルタケさんも、作品写真はたくさん見ているものの実物は見たことがないとのことでしたが、とりあえず見ていただいていろいろ話をしました。その結果「アダム氏やMIG氏の作例だともっと明るいのではないか」という結論になりました。つまり、全体のトーンを少し引き上げればいいのでは、ということです。
やはり思っていたとおりではあったわけで、最暗部が暗すぎるようなんです。逆に言うと、最明部を思い切って明るく出来ないということでもあります。
私は、カラーモジュレーションとは「模型全体および一つの面の中で明暗の変化を擬似的につけて、立体感を誇張する手法」だと思っています。2次元=平面の絵画の手法を3次元=立体物の模型に取り入れて、もともと立体であるものの立体感をさらに強調する、ということでしょうか。人間の視覚は、明るい部分を「上」と本能的に判断するらしいのですが、それを利用して見る者に上下や奥行きを意識させる効果があるんだそうです。
ただ、最も明るい色=白を1、最も暗い色=黒を10とした場合、変調の幅が1から10なのか2から8なのか、それとも3から10なのか1から7なのか、そのあたりの塩梅が難しいのではないでしょうか。
私の場合は4から9ぐらいの感じでしょうか。ですのでそれをもう少し明るい側へシフトする必要があるようです。
また、マルタケさんから色についての興味深いお話が聞けました。それは「明るい色は混色では作れない場合がある」という話です。
最も明るい色は白ですが、ある色を明るくしたいときには白を混ぜればよいか、といえばそうではありません。
例えば、イエロー系は白を混ぜれば明るくなりますね。でも、赤に白を混ぜてもピンクになってしまうだけです。つまり、違う色になってしまうのです。茶色なんかもそうですよね。
したがって、赤を明るくしたければ最初から明るく作られた赤が必要で、混色では作れないのだ、ということなのです。
これは「なるほどな~」と思いましたね。大変説得力のある話でした。言われてみれば絵の具だって同じメーカーからいろんな「赤」が売られているわけですが、それらは混色の手間を省くためだけではなく、混色では得られない色なんですね。
ヤークトパンサーはあらかじめ迷彩塗装をして持っていきました。迷彩色を塗ると基本色の変調具合はあまり分からなくなってしまいます。
帰ってから、全体を明るく塗り重ねるとともに迷彩の各色ごとにも変調をつけましたが、大変な手間ですね。
また、最初に塗った下地を残そうとすると厚くは塗れませんが、モジュレーションは重ね塗りによって施しますので、そこで矛盾が出てきます。実に悩ましいところです。
ですので、暗部を影色を残すことで表現するのは、私にはやはり無理だと感じました。暗部も「塗って」表現したほうが分かりやすそうです。
また、一般的なモジュレーションの概念としては「上にいくほど明るく」ですが、最上部の面の変わり目にあえて影をつけてみました。発想の転換ですが、これにより面の切り替えを強く意識させ、立体感がより強調されるのではないかと思ったのです。
ま、ただのアマノジャクかも知れませんが、人の真似をするばかりでは楽しくないですからね。
2010年6月 3日 (木)
なんちゃってモジュレーション その2 <あれもこれも再塗装>
私の場合、塗装の手が遅く、途中で停滞してしまうことがしばしばです。また製作ピッチも決して早いわけではありませんし、AFV模型の場合は工作した後にまとめて塗装となることがほとんどなので、塗装から次の塗装までの間隔が長く空いてしまいます。
そのためか、なかなか上達しないのです(単にワタシがヘタなだけかも知れませんが・・・)。
そこで、タイガーで試みた「なんちゃってモジュレーションと基本色作り」を、この際もう少し続けて練習したいと思いました。
というわけで、保管してある完成品の中から「今見ると気に入らんヤツ」を引っ張り出して再塗装することにしました。
いけにえは、かなり前に作ったキングタイガーと、昨年のヤークトパンサーです。前者はダークイエローが暗すぎ、後者はウォッシングがきつすぎて暗くなってしまったもので、完成したときは満足していたのですが、後になってから見ると「なんじゃコリャ?」な作品でした。
工程としては先のタイガーに倣ってみました。ただし、今回は少し丁寧にやりたいので缶スプレーは使わないことにします。
まず、黒で塗りつぶし兼下塗りをします。真っ黒にするのでサフは必要ないと判断しました。
続いてタミヤ・アクリルのXF-64レッドブラウンで下地色をつけます。この下地色自体も面によって強弱をつけて塗ってみました。
ただ、ここで気付いたのは、同じ色でもエアブラシと缶スプレーでは塗装後の色味が違うということです。
これは塗料の色が同じではないということではなく、隠ぺい力と肌の違いによるものです。
タイガーを缶スプレーで塗ったときはレッドブラウンそのものの色になりましたが、エアブラシではもっと黒が透けて、錆び色のようになってしまいました。これがまた実に具合のいい錆び加減で、このまま錆びた戦車ということにしてしまおうかと思ったほどです。
また、缶スプレーだと一気に塗料が乗るので肌が滑らかですが、エアブラシではかなりザラザラになってしまい、後のウォッシュ工程が心配です。塗料にクリアを混ぜればよかったんですが忘れてましたよ。
基本色は、これも前回を思い出しながら色を作りましたが、前回も試行錯誤しながらでしたのではっきり覚えておらず、同じような色にはなりません。
とりあえずクレオス(水性)のクリームイエローとタミヤのカーキを混ぜた色をスタートとして、ここへXF-15フレッシュ・X-17ピンク・XF-55デッキタンなどを入れてサンド色を作ります。
ピンクとは意外かもしれませんが、色をくすませて褪せた感じにするのに大変効果的で、しかもイエローだけでなく3色迷彩色すべてに効果が出ます。ただし入れすぎないように、あくまで隠し味程度に使うのがキモです。
「?」と思われる方は、ラッカー塗料のビン底を下から見てみてください。かなりの色にピンクの顔料が使われていることが分かると思います。
塗った結果がこちら。
ちょっとピンクとフレッシュを混ぜすぎて、ベージュっぽい色になってしまいましたが、何事も経験です。一応カラーモジュレーションは意識してみました。ただ、パネルやハッチごとにマスキングするようなところまでは徹底していません。
一度に根を詰めて作業すると目が慣れてきて加減が分からなくなってくるので、一息入れながら何度かに分けて塗ると良いようです。
グリル部はほとんど色をつけませんでした。このほうが立体感が出るかもしれません。
ヤークトパンサーは、前面と側面のパネルが広いため、メリハリがつけづらくて難しいですね。結局、暗部が暗くなりすぎた気がします。
ピンクを混ぜすぎたことが、このハッチの色から分かると思います。
でも、ピンクは混ぜても想像するほどピンク色にはならないものです。
2台ともかなり明るく塗れていて、しかもただ白く明るいのではないことが分かるかと思います。ちょっとマヨネーズみたいでダークイエローと言える色ではないかも知れませんが、薄暗い基本色から抜け出したいという意味では狙い通りになりました。
ここから迷彩を塗っていかなければいけないわけですが、ヤークトパンサーは実車考証は無視してこのまま単色に変更しようかなと思案中です。
しかし、やっぱり塗装はやらないとウマくなりませんね。こうして、過去の作品をリメイクするのも一つの手なのかものかもしれません。
2010年5月28日 (金)
「なんちゃってカラー・モジュレーション」?
先日塗り直したタイガーも満足した出来とは言えませんが、きりがないのでとりあえず終了にします。
今回気に入らないのは、全体が白っぽくなって立体感が乏しいことです。ガイアのゲルプ(2)は、生のまま塗ると(特にマホガニーなどで影色を塗った上からですと)意外に暗いので、ウォッシングでさらに全体が黒ずんでしまいます。
それを補正するために明るい(白を混ぜた)ダークイエローを重ね塗りしたことで、今度は白トビしたような色味になってしまいました。
また、迷彩色のグリーンに引っ張られてダークイエローが緑がかって見えてしまい、余計に暗く、彩度の低い感じになっているのだと思います。
では、どうすればいいのでしょうか? とりあえず、まずは手持ちのダークイエロー系の塗料をよく観察することにしました。
スタンダードとも言えるタミヤ・アクリルのXF-60ダークイエロー(左)は、イエローというものの結構緑味がかっている気がします。ドラゴンのキットで指定していることの多いクレオスのミドルストーン(真ん中)はさらに緑が強いです。
これらに対しクレオスのダークイエロー(右)は黄色味が強く、鮮やかな黄土色です。またガイアのゲルプ(1)も緑味が弱く、「黄色い」という印象です。
余談ですが、真ん中の大きいビンはタミヤ・アクリルが発売になったばかりの頃のXF-60で、右端の現行のXF-60とはずいぶん色味が違いますね。緑が強く、左のミドルストーンと近似色です。
また、クレオス水性のサンディイエローはダークイエローとカッコ書きしてありますが、黄色味は少なく、タミヤのXF-57バフと近似色です。このカッコ書きを信じて塗ると、模型は真っ白になってしまいます。
とにかく、まず基本色の段階では明るくしつつも彩度を上げることが必要ではないかと考え、クレオス水性のクリームイエローを基に調色することにしてみました。まったく写真を撮らなかったので文章だけの説明になってしまいますが・・・。また、この時点ではクレオスのダークイエローは持っておらず、上の写真は後日買ってきたものです。
このクリームイエローにカーキを加えていくと、なんとタミヤのダークイエローそのものになります。そこでクリームイエローの割合を多めにして、とにかく緑を減らします。この時点ではかなり黄色く、戦車模型には似つかわしくない感じです。実はコレ、ガンプラの「ゴッグ」の基本色なんです。なんとなくひらめいたので作ってみました。
次に、ここへタミヤのXF-15フレッシュを混ぜて彩度を下げつつ色味をくすませます。そして、XF-55デッキタンを加えていきます。単純に白を加えると、明るくなる代わりに彩度も下がりすぎると思ったので、白は使わないようにしています。
こうして出来た色を使って試し塗りをすることにしました。実験台は、昨年のIFV展示会でコーティング実演をしたまま放置していたタイガーです。組み残していた部分を急いで作り、形にします。パーティングラインやゲートの処理なんてまったくしません。砲身なんてバッチリ接着線が残っていますが、いいんです。
いつもはマホガニーベースなのですが、マホガニーですとやはり暗すぎる気がしたので、タミヤのレッドブラウンを使うことにしました。ただ、そのままでは逆に赤すぎるので、まず黒で塗った上に塗りました。
全部缶スプレーで、一気に勝負を決めます。モールドが埋まろうが関係ありません!!。
ここからが本番。先ほど作った基本色を塗ります。そして、その色にバフを少し混ぜてハイライトをつけました。
本家のカラーモジュレーションでは、下のほうは下地色を残し、上へ行くほど明るい色を重ねることで明暗の差を出して立体感を強調していきます。その理屈は分かっているつもりですが、下地色の「残し加減」が私には難しく、暗いところは真っ黒のままになってしまうことがほとんどです。あとで明るくしていくことを考えると、どの程度色をつければいいのか計画しなければいけないのですが、そこが私にはよく分からないのです。
そこで、下地の影色を「残して」暗部を表現するのではなく、素直に暗色を「付ける」ことにしました。レッドブラウンにクリアイエローとクリアオレンジを混ぜて暗色を作り、暗くしたいところへ注意深く塗っていきます。影を付けるというより、色を濃くしている感じです。
ところで、このクリアオレンジも発売になった当時(20年くらい前でしょうか)に買ったもの。バイクのウインカーレンズを塗るのに買ったので、ほとんど減ってません。
当時は今の「ミニ」はなく、大ビンで23ccも入っていて確かエナメル塗料と同じ値段だったような・・・。上のXF-60もそうですが、とにかく安さにつられてアクリルを何色か買ったのは覚えています。今でも色数限定でカタログには載っていますが、実際に売られているのは見ませんねぇ。
閑話休題。これが、表題にもある「思いつき・なんちゃってモジュレーション」です。「明暗」ではなく「彩度」を変調させていると言えるでしょうか。
クリア色を使ったのは、塗料の隠ぺい力を下げてやることで、一気に色がつくのを防ぐためです。(クリア色には隠ぺい力がありません。)様子を見ながら薄く何度も吹いていきます。
このように、全体を暗くすることも真っ白にすることもなくグラデーションがかかりました。本当は下地色をもう少し残して暗いところも作るつもりだったのですが、私のいい加減さが出てしまいました・・・。
でも、思ったよりはいい感じになりましたよ。
上面も調子をつけてみます。
クリア色を使っているためフィルター効果が少なく、私のような凡人にはコントロールが容易です。
ちょっと現用車輌のサンド色のようになってしまったのでリアルではないかもしれませんが、あとは迷彩を施して完了です。はたしてどうなりますやら・・・。
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