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2020年7月 5日 (日)

MGザク2 Ver2.0 その4

 
バンダイのキットは、ところどころに、他社にはない技術を織り交ぜてきます。
単にパーツの精度が高いというようなことではなく、素人には「いったい、どうやって成型してるんだろう?」と思うような、特殊成型が得意ですね。

Img_2546001
このキットでも、動力パイプのところがそうです。
芯となるグレイのPEパーツの上に、グリーンのPSパーツが覆い重なるように成型されています。
バンダイのキットは、基本的には無塗装で作ることが前提で設計されていますが、これは塗装派のかたへの配慮でしょうか。元々パイプ部品の中に通っている芯は、言ってみれば「捨て芯」で、これ自体に意味はありません。
この状態で塗装し、この捨て芯につながる、実際の芯にスライドさせていけば、動力パイプが出来上がるというカラクリなのです。これはスゴイですね。
昔に作ったMGガンダムでも、脚のフレームや手が、同様に二重成型されていて、ランナーから切り離すともう組み上がった状態になっているという、なんとも不思議な成型になっていましたが、それと同じような感じです。

ところがです。塗装する前に本当にスライドするのかと興味本位で触ってみたところ、貼りついたよう硬くて、まったく動きません…。
とはいえ、動いてくれないことには始まりませんから、力いっぱい引っ張ってみたら、いくらか動いてくれました。
でも、塗装後の部品にこんなに力を加えていては、塗膜がはがれるか指紋が派手に付くかに決まってます。

Img_2509002
そこで、いくつか部品を抜いてみたところ、写真の矢印ように、パーツどうしの間に、まるで竹の節のような盛り上がりができています。
あくまで推測ですが、芯のPE樹脂と、外側のPS樹脂では、成型した後の収縮率が違ってるんでしょうね。プロがそこを計算していなかったとは思えませんが、計算が間違っていたか計算以上だったのか、それとも製造直後はよくてもその後の流通過程での経時変化か、PS樹脂のほうが強く収縮したんでしょう。で、外側のPS樹脂が芯のPEを締め付けるようにして食い込んでしまったんでしょうね。

Img_2511001
仕方ないので、まずは無理やりにでもパーツを動かした後、この節を削り落しました。
PE樹脂のため、軟らかくてヤスリが利かないので、ナイフで切るように削って径を細くし、あらためて部品を通し直して塗装、という工程とすることにしました。

とにかく、指先が痛いです…。これからこのキットを作ろうというかたは、要注意です。

(つづく)

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