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2017年11月 4日 (土)

アネスト岩田 カスタムマイクロン 修理 その2

ためしに吹いてみますと、たしかに細く吹きつけできません。
一般的なエアーブラシは、圧縮空気の流れを利用して、大気圧との差で色材を吸い出すわけですが、ニードルの引き始めでは、ノズルとニードルの隙間は極めて狭く、ここから色材を吸い出すには、繊細な当たりの精度が求められます。

これが狂っていたり、そもそも精度が低い製品では、ニードルの引き始めで効率よく色材を吸い出すことができないので、意のままに細吹きができないものが多いのです。

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手始めにニードルを抜いてみます。

先端から少し手前の部分に、磨滅が見られ、段付きが発生していました。

これでは、ニードルを引いても正確に反応しなくなっていることが予想されます。

原因は分かりませんが、ニードルがノズルに強く押し付けられた可能性があるのではないかと想像します。

また、ノズルの側も、先端にわずかに変形が見られました(写真は、被写体が小さすぎてピントが合いませんでした)。
ニードルを挿入して、ノズルから出た部分の外径を測ると、0.3mm以上あります。つまり、何らかの理由で、ノズルの径が広がってしまっているようです。

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ともかく、このノズルとニードルは使いものになりませんので、交換することにしました。

カスタムマイクロンの場合、メーカーでは、ノズルは「ヘッドセット」というアッセンブリーでの交換を推奨しています。
これは4個の部品から構成されており、それぞれ単体でも発注は可能ですが、ヘッドセット自体の組み付けに精度が要求されるようです。

高くはつきますが、むやみに触らないほうがよいと判断しました。

Img_8675001
下が新品のニードル。
上のものは、きつい当たりが付いてしまっているのが分かると思います。






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ヘッドセットは、普通では見たこともない部品ですね。








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本体に組み付けました。

このマイクロンは、他にも特長的な機能が盛り込まれています。

ニードルパッキンは、塗料が本体側(エアーバルブがある)へ流入しないためのパッキンですが、締め付け加減が難しくて、緩いとシール性が弱く、きついとニードルの動きが渋くなります。
ただ、通常は、ニードルを入れてからでは増し締めできないため、ニードルその他を外しては再調整を繰り返す必要があり、なかなか面倒です。

マイクロンは、この状態でパッキンネジにアクセスできる(切り欠きにマイナスドライバーを入れて回してやる)ため、組み付けたまま、分解せずに微調整が可能になっています。

また、噴射ボタンのリターンスプリングの強さを調整するための専用ネジもついています。
微妙な吹き付けをする際は、リターンスプリングの反発を弱めてやると、指への負担が少なくなります。
実は、通常のエアーブラシでも同じことができるのですが、緩めてやるほどガタついて、ニードルの芯がブレてきてしまうのが難点でした。

この後、吹き付けテストをします。

(つづく)

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