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2011年5月25日 (水)

第50回静岡ホビーショー2011 <合同作品展 その9~MIG's workshop>

最後に、今回のホビーショー最大のサプライズであった、ミゲル・ヒメネス氏の塗装実演の様子を少しだけ紹介しておきます。
少しだけというのは、残念ながらこれらもいい写真が少なかったからです。やはり、模型を撮るのには本当は三脚が欠かせませんね。

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まずこれが最初の状態。カラーモジュレーション・スタイルでの塗装が終了しています。
このスタイルは既に多くのモデラーが試していますが、この時点でもうちゃんと「MIG風」になっているんですね。

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モデルの半分だけに塗装するため、マスキングをしています。




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作業中のミゲル氏。
非常に手際よく塗り進めていきます。




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写真右上のカメラにくっついているダルマは、ウチのヨメさんがこしらえた、彼へのお土産です。
何だか、2日ばかり夜遅くまでかかって作ったビーズ細工です。気に入ってもらえるといいのですが。

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ヘアスプレー技法による塗装剥がれ表現と、雨だれ表現などが済んだ状態です。




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その拡大版です。





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いきなり飛びますが、これが終了した状態。
チッピングと泥の飛沫を飛ばした表現が加えられています。今回の実演は、AK-interactive製品のプロモーション的意味合いもあったのか、ピグメントを使った汚し表現には言及しませんでした。この辺りは、彼のプロ精神を感じます。

Img_2853a
同様に拡大しました。
ギャラリーもいる中、話しながらという環境でしたが、それでも素晴らしい仕上がりです。



Img_2853b
スプロケットのチッピングの入れ方と雨だれのメリハリのつけ方が参考になりました。




Img_2853c
私ごときは、なかなかここまで大胆に汚せません。単に汚らしいだけになってしまうからです。
スタートの基本塗装の状態で、この辺りが暗く塗られていますが、それはこの黒い泥汚れを付けることを計算に入れてやっているんだそうです。そうしないと、泥の色とのコントラストが強すぎて不自然になるからだとのことでした。

展示してあったパンサーやBTに比べれば、デモンストレーションであるせいかさすがにちょっと雑な感じではありますが、この色味はいいですね。AK製品、欲しくなってきた…。

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技法的には特に難しいことはやってない(カラーモジュレーションとはあくまでスタイルであり、技法としては単なるエアブラシ塗装に過ぎないのです)のに、見事に彼の作風になっています。いったい何が違うんでしょうか。

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でも、実はこの仕上がった状態を最初から意識し、色味の加わる分を「引き算」したり、付ける汚しの色との兼ね合いも考えて基本塗装がされているのです。完全に計算ずくなんですね。
だからこそ、彼の作業はまったく迷いがないように進んでいくんでしょう。私なんかそのステップごとでの色合いしか見ていないので、進むにつれて破綻してくるのですね、きっと。


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今回のお土産。ミゲル氏からAKのTシャツを頂きました。これはやはり着るべきか、それとも飾っておくべきか…。

さて、長々と続けてきたホビーショーネタは、これでおしまいです。
他人のふんどしで楽な相撲を取らせていただきましたよ。おかげで、人気記事ランキングがゴッソリ入れ替わってしまい、ビックリしました。
静岡ホビーショーには今回が初参加でしたが、得たものはあまりにたくさんありました。ただ、この合同作品展もレベルごとに色分けとかしてくれんかなあ…。ハイレベルな作品も、自分とは次元の違い過ぎる作品をたくさん見ると逆に目の毒で、ヤル気がさっぱり出なくなっちゃいました。
でも、やっぱりまた行きたいです。

(おしまい)

 

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コメント

いや~何時見ても素晴らしい技法ですね。
特に迷彩の剥がれはいいですね。使い込まれたという表現がわかりやすいです。ちょっと製作が飛んでしまっているので驚きましたが、完成も凄い。汚いウェザリングではなくまさに実車の汚れ・・・凄い・・・

投稿: 同志99 | 2011年5月26日 (木) 00時02分

こんにちは、根生です。私が見れなかった部分のレポートなんでうれしかったです。あれから1日でこうなったんですね。すごいな〜。やっぱり残って見ていたかったな・・・

投稿: 根生 | 2011年5月26日 (木) 05時31分

同志さん、こんにちは。
ハードなウェザリングを施すには、かなりの勇気が必要です。あくまで「汚し表現」であって、ホントに汚してはいけないのです。
MIG氏をはじめとするエキスパートはその塩梅が絶妙なのですが、それは最初から計画的な作業をしているからだと思い知らされましたね。

投稿: Bluebell | 2011年5月26日 (木) 06時40分

根生さん、こんにちは。
2日目は、クラブのお勤め終了後は住友さんと一緒に、写真を撮るのも忘れてずっと見てました。
マルタケさんが書かれていたとおり、あれよあれよと言う間に出来上がっていきました。手数は少ないんですよ。
またいつか来日したときにもやってほしいですね。

投稿: Bluebell | 2011年5月26日 (木) 06時44分

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