最近の模型雑誌に、「マガジンキット」なるモノが付いているのを時々見かけます。
要は「付録」なのですが、付録と言ってもタダで付いてくるわけはありません。それどころか、通常の2倍以上もの価格設定になっています。

今日、写真の「アーマーモデリング」誌が届きました。どちらもマガジンキットが付いていた号で、雑誌自体には興味があったもののキットには興味がなく、そのために通常1,380円のところ2,800円も出す気になれずに買いそびれていたものです。
ネットオークションで、古本として本誌のみで出品されていたので、手に入れることができました。
このマガジンキットについては賛否両論あろうかと思いますが、私は基本的には反対です。キットは欲しい人にだけ行き渡るようにしてほしいものです。
そもそも「付録」というのは、大多数の人が欲しがるものでなければいけません。もっとも、「誰もが欲しがるアイテム」ならマガジンキットにしなくても普通に製品化すればよいわけです。逆にマイナーなアイテムだからこそマガジンキットという形態をとることによって初めて世に送り出し、それをユーザーが手にすることができるという側面があるのは理解できます。
しかし、キットを雑誌に抱き合わせて無理やり買わせるような商法には納得できません。
「有料の付録」として1~2割高くなる程度ならまだしも、マガジンキットは「付録」というにはあまりに高額です。むしろ、「雑誌」と「プラモデル」という、価値の違う二つの商品が合体しているといったほうが的確でしょう。
したがって、両方の商品に価値を見出す人にとっては好都合ですが、どちらか一方の商品だけ欲しい場合、ほぼ2倍の価格とあっては購入はかなりためらわれますし、私のように結局はあきらめる人もいらっしゃることでしょう。
今後どうしてもマガジンキットを発売するのなら、潔くその号の誌面はキットに関することだけに特化してほかの内容は排除し、「全体で一つの価値しか持たない商品」にすればよいのではないでしょうか。そうすれば、欲しい人だけに行き渡るうえ、誌面が薄くなる分単価が下げられるはずで、より購入しやすくなるでしょう。
マガジンキットは何度目かになるはずですので、もちろん何らかのメリットがあるのでしょう。精巧なフィギュアやミニチュアにお菓子を抱き合わせることで、「食品」としておもちゃ屋以外にスーパーやコンビニでも販売できるようにして大ヒットした「食玩」と同様、模型店だけでなく書店も販路に入れることで販売数が上がって開発費がペイできるといったことなのかもしれません。また、メーカーも出版社も慈善事業ではないのですから、実際に売れるからこそ繰り返し企画が持ち上がるのだろうと思います。
でも、本来プラモデルは模型店で売られるべきだと私は思います。マガジンキットにすることによって書店で買う人がいるのなら需要はあるわけで、それだけ模型店がせっかくの商機を失うことになるのです。ただでさえ模型人口が減ってプラモデルが売れないというのに、その市場を異業種量販店に荒らされて値を崩された挙句に、今度は「適正な価格で売れる商品」を書店にまで奪われるのですから、町の小さな模型店はたまったもんではないでしょう。かと言って、買われるユーザーさんには何の罪もありません。
もっとも、、私には業界の事情は分かりませんから、こんな偉そうなことを書く資格はありませんよね。それをブログなんかでコソコソ書いているのはズルイので、AM誌に投書してみました。
というより、このブログの記事はWordで書いた投書をコピペしてちょっと短く編集したものです。オリジナルの投書はもっと辛らつな文言が入っていて、完全に「苦情」といえるかもしれません。編集者の方々も、いい気はしないでしょうね…ゴメンナサイです。
でも、これが今のプラモ事情なのだなあと、なんとも複雑な心境です。
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