« 2010年5月 | トップページ | 2010年7月 »

2010年6月

2010年6月27日 (日)

アネスト岩田のエアブラシ その3

最後に、いわゆる「ノーブランド品」にも少し触れておきます。

私は、一番最初にウェーブのコンプレッサーセットについていたものを使っていました。このハンドピースは模型用としては十分使用に耐えるものでしたが、もっと細吹きできるものが欲しくなって、クレオスの『プロコンBOY FWAプラチナ(ノズル口径0.2ミリ)』を買いました。

これは当時目新しかった「風量調節機構」が備わったモデルで、しかも待望の0.2ミリでしたので、道具好きの私は「これだ!!」と思って飛びついてしまいました。
その後コンプレッサーを今使っているものに買い換えたので、ウェーブのはコンプレッサーと一緒にヤフオクで処分して、しばらくはこれをメインで使っていました。
ただ、この新しいコンプレッサーにもまたハンドピースがついてきました。
Img_3116
それがこのハンドピースです。
まったくのノーブランド品で見るからに安っぽかったので、最初はまったく使う気になりませんでした。これもヤフオクで安く売り飛ばそうかと思ったものです。
ただ、カップが横付け式なのが気になって一度使ってみることにしました。そのおかげで横付け式がお気に入りになったのです。
それに、使用感も決して悪いものではなく、迷彩塗装も特に問題なくこなしてしまえるものでした。
また、「プラチナ」はとにかく重いのです。特に、例の風量調節機能が付いているため先のほうが重くて、前下がりになってくるんですね。
結局、せっかく買ったプラチナもあまり使わなくなり、このノーブランド品がメインに代わりました。

ところが、ある日急に詰まって吹けなくなり、それ以来細吹きに難が出るようになりました。
そこで新しく買ったのが、今の岩田のエクリプスなのです。では、この2本を比べるとどう違うのでしょうか。

Img_3139_2
まず重さです。エクリプスが121グラムで・・・




Img_3140
ノーブランド品は127グラムですから、数字ではわずかな差しかありません。
ところが、手に持ったときの感覚ではこちらのほうがズッシリと重く感じるのです。


Img_3148_4
また、横付け式はカップが本体中心線から離れた位置についているため、どうしてもこのように傾く(写真の向きで、軸を中心に時計回りに回ろうとする)方向に重さがかかります。これは横付け式の宿命で仕方のないことですが、このときに感じる重さ(傾こうとする力)もまったく違います。

Img_3154_2
エアバルブを揃えて並べると、先端までの長さがかなり異なります。エクリプスに比べてノーブランドのほうが長いので、そのため先が重く感じるのではないでしょうか。

このように、やはり道具としてはエクリプスに軍配が上がってしまいます。良いものは、性能面だけでなくこうした感覚的な面でもきちんと考えられているのかもしれません。

ところでこのノーブランド品ですが、最近目にした岩田の廉価品『MX2950』に外観が酷似しているのです。同じ外装部品で中身が違うのかどうかは分かりませんが、この価格帯でそこまでするとも思えず、もしかしたら同一製品かも知れません。
もしそうなら、価格は大変お値打ちですしメーカーサポートも受けられるでしょうから、とにかく安くてそこそこのものが欲しいとお考えの方には悪くない選択肢だとは思います。
エアブラシ(MX2950)エアブラシ(MX2950) 

さて、長々と続けてきたエアブラシの話は、一旦これでおしまいにします。すっかり手が止まってしまいましたので、早く模型作りを再開しないといけませんね。

| | コメント (0)

2010年6月26日 (土)

アネスト岩田のエアブラシ その2

どんなハンドピースでも、常によい噴霧状態をキープするためには使用後の分解洗浄が欠かせません。その際、面倒かつ細心の注意が必要なのがノズルの脱着なのですが、この『エクリプス』には大変ユニークな特徴があります。それは「ドロップインノズル」という構造です。
Img_3157
先にニードルを抜いてから(と言いつつ、しっかり抜き忘れてますね、絶対ダメです)、ノズルキャップを外します。
先端のノズル内を洗浄するためには、ノズルを外さなければいけません。それには普通は付属のスパナを使うのですが、これが少々面倒です。また、取り付けの際に締めすぎるとネジ山を傷めますし、逆に締め付けが足りないとエアーが逆流してしまいます。

Img_3162
エクリプスの場合は、ここから・・・





Img_3163
指でつまんで・・・





Img_3164
引っこ抜くだけで、ノズルが外れてしまいます。つまり、はめ込み式ノズルなのです。




Img_3161
ただはめ込むだけなので、当然ネジ山はありません。そして、反対側をノズルキャップで同様に押さえています。これだけでピタッと密着してエアーが逆流することもないのです。私は技術屋ではありませんからよくは分かりませんが、高い加工精度が要求されるのではないでしょうか。

この構造のおかげで、ノズルの洗浄が苦になりません。使用後は必ず洗いますし、使用中に目詰まりを起こしてしまったときも手早く洗えます。

Img_3165
ノズルキャップは3分割になっています。
このうち、一番根元(写真右端)の部品をよく見ると、ノズルが通る中心の穴の周りに、小さい穴が3ヶ所開いています。


Img_3177_2
こんな感じで、もちろん貫通しています。これは、エアーの吹き出し口なのです。
このように、ノズルを包み込むようにエアーが出るので、ノズルの周囲に均等に負圧がかかって噴霧の粒子が細かくなり、また風流の収束もよいので飛散が少ないのでしょう。

先にも書きましたが、これでもこのメーカーの中級機種なのです。定価も1万円程度で、他メーカーと比べて特に高価というわけでもありません。
ANEST IWATAアネスト岩田 HP-SBSエクリプス・エアーブラシHP-SBS(0.3mm口径・容器1.5ml・サイドボトル)MEDEA アネスト岩田キャンベル CAMPBELL エアブラシ ANEST IWATAアネスト岩田 HP-SBSエクリプス・エアーブラシHP-SBS(0.3mm口径・容器1.5ml・サイドボトル)MEDEA アネスト岩田キャンベル CAMPBELL エアブラシ

となれば、上級機や1本3万円もする最高機種ならどんなものなのか、大変に興味深いです。ちなみに、最高機種の『カスタムマイクロン』は、ノズルだけでも4,000円(!!!)くらいするそうです。どれほど高精度なのか、私ごときでは想像もつきません。(続く)

| | コメント (2)

2010年6月25日 (金)

アネスト岩田のエアブラシ その1

もう少しエアブラシ(ハンドピース)の話を続けます。
模型店で買える代表的なハンドピースといえば、やはりタミヤクレオスのものでしょうね。あとはウェーブなどからも発売されていますし、エアテックスホルベインも有名でしょう。

Img_3112
私の愛機は、アネスト岩田の『エクリプス』という機種で、同社のラインナップ中でホビー用として推奨している中級機(←これ、重要)です。
私のは、塗料カップが横についているタイプです。

Img_3133
元々は写真右のカップが付属しているのですが、小さすぎると思ったで別売の大きいカップを一緒に買いました。

でも、この小さいカップは実は大変スグレモノなんです。
この二つのカップを見比べると、塗料の出口の高さが違いますよね? 右のカップはとても高い位置にあるので、これではカップの底のほうの塗料が流れていかないはず!?
Img_3135_2
内側を見ると、なんと出口がふさがっています!! 最初は不良品かと思いましたが、ためしに水を入れて吹いたらちゃんと吹けるのです。
メチャメチャ不思議でしたが、よ~く底を見るとどうも隙間があるようでした。恐らく、その隙間から吸い上がっていくんでしょうね。
そう思っていましたら、案の定、メーカーのブログでも紹介されてました

Img_3128
カップ横付け式は、一般的な上付き式より視界がよいですが、こうすることで取り付けたときのカップ位置が下がって、被塗装面がより一層よく見えるようにしたのではないかと思います。

Img_3138
こちらが有名な、製品一本一本についてくる、完成品検査の試し吹きをした紙です。
高級機じゃなくても、ちゃんとついてきます。


今は、この一本ですべてのエアブラシ塗装を行っています。使った感想については以前にも少しだけ書いたことがありますので、ご興味のあるかたはご一読くださると嬉しいです。(続く)

| | コメント (0)

2010年6月22日 (火)

タミヤ ベーシックエアブラシ その4

試し吹きの結果、やはり価格と性能は比例するという、きわめて当然の結果が出たわけですが、自分としてはちょっと納得がいかんというか、納得はいくが不満というか・・・何だか煮え切らない感じです。
これで終わるのではつまらんので、ちょっと悪あがきをして、ハンドピースにファインチューニングを施してみることにしました。
ただし、以下のチューニングはあくまで素人考えによるものです。もしも真似される場合は(そんなことする人はいないと思いますが)くれぐれも個人の責任でお願いします。

まず、この2機種の違いは何なのでしょうか。ちょっと観察です。

Img_30751
イワタのノズル部です。
タミヤに比べて、以下の点で違いが見られました。
①ノズル先端の肉厚が薄い。
②ノズルキャップの穴とノズル外周との隙間(エアーの吹き出す部分)が狭い。

①については目視でも確認できましたが、ノギスでノズル先端の外径を測ると、タミヤが約0.8ミリに対しイワタは約0.7ミリでした。
また②については、ノズルキャップの穴径を測ってみました。もちろん、テーパーゲージなんて持ってませんので、ドリル刃を通しておおよその径を測ったところ、タミヤのは1ミリのドリルが通ったのに対し、イワタは0.9ミリが通りません。
エアブラシはベンチュリ効果を利用した道具ですので、この穴の大きさも性能に影響するはずです。

Img_30711
まずはノズル周囲に#2000のペーパーをかけ、慎重に削って薄くしました。




Img_30541_2
これで、ノズルとニードルの段差が少し小さくなりました。
続いて、金属用コンパウンドで磨いて鏡面仕上げにします。エンジンのポート研磨と同様に、空気抵抗を少なくし、エアーの流速を上げる狙いです。

Img_3056_3
同様に、ノズルキャップ内側とニードルのテーパー部も研磨してピカピカにします。



以上の工程で、エアーの通り道の抵抗がわずかでも減り、スムーズに流れるようになったはずです。
ただ、ノズル外径が細くなったことによりエアーの吹き出す隙間はさらに広がったわけです。そのため、同じ空気圧や風量でも流速は遅くなり、ノズル部に発生する負圧が小さくなって色材を吸い出す力が弱まります。実際にここまでの状態で吹いてみましたが、空気圧を上げて風量を多くしないとニードルを開けても色材が出てきません。
ニードル操作に対するレスポンスは、風量ではなく流速で決まるのです。

Img_3041
そこで、隙間を狭くするためにノズルキャップの穴を小さくする必要がありますので、短く切った真ちゅうパイプを穴に入れて瞬着で固定しました。パイプはウェーブの「CパイプNo.2」が外径1.1ミリでジャストフィットでした。

Img_3048
こうして、ファインチューニング完了。
これでもイワタに比べればまだエアー吹き出し口はわずかに広いです。

ハンドピースの価格の差は、まずは加工精度の差といえるのでしょう。穴が小さいほど正確に芯を出していくために精度が必要なのは素人でも分かりますから。

さて、これで吹いてみましたが、吹き始めのレスポンスは若干よくなった気がします。ただ、ミストの飛び散りはほとんど改善しませんでした。
ということで、コイツの使い道はやはり全体吹きかなあという結論。コレ一本ですべての塗装を、というのはやっぱりちょっと無理がありますかね。
価格的にはSサイズ口金のエアーホースにつなぐのなら最低3,948円(定価計算)ですが、限定した用途に使うハンドピースとしてなら安いと言えるかも・・・。
あ~何だかグダグダな終わり方! このレビューはいったい何やったんや!! 少しでも楽しみにしてくださった方、どうもすみませんでした。

| | コメント (6)

2010年6月21日 (月)

タミヤ ベーシックエアブラシ その3

それでは、いよいよ実際に吹いてみます。
比較対象がないと分かりにくいので、愛用のイワタ・エクリプスと比べてみることにします。

Img_3020
とりあえず、いらない紙にタミヤ・アクリルを吹いてみました。
右半分がタミヤ、左半分がイワタです。



Img_3028
まず、細吹き。左の黒い線は、一般的な0.5のシャープペンで書きました。 目安になるかと思います。

点々となっているのは、コンプレッサーの脈動のせいです。私のコンプレッサーはタンク付きですので本来脈動は出ないのですが、十分に圧が上がる前に吹いてしまったのでこうなっちゃいました。

線の細さとしてはこれくらいが限度でしょうか。説明書にも「約2ミリから~」と書いてあります。ただ、気になるのは塗料ミストの荒さと飛び散りです。プツプツと大きい粒が飛んでいます。
写真上のほうのグルグルは、後でもう少し塗料を薄めて吹いたものですが、こちらはキレイに吹けてますね。

Img_3030
それに対してイワタですが、タミヤのを吹いた後にカップの塗料をそのまま移して吹いた結果がこれです。
結論から言って、正直、勝負になりませんね。これほど差があるとは自分でも思いませんでした。
細く吹けるのはともかくとして、それよりもミストの細かさと飛沫の飛び散り具合が全然違うのです。
まあ、価格が3倍くらい違うのですから当然なのかもしれませんが。

Img_3023_3
今度は太吹きを試してみます。
トリガー全開の状態でかなり違いますね。これはタミヤのほうがよくて、広い面積を塗りつぶすのは大変ラクです。

とまあ、こんな感じとなりました。ベーシックエアブラシをレビューするつもりが、逆にイワタの良さをアピールする結果になってしまったようで、ちょっと不本意です。こんなつもりではなく、「3,000円のハンドピースだって十分イケルで!!」というハナシになるはずだったのですが・・・。

う~ん、これで終わってしまったのでは何だか消化不良です。「やっぱり道具ってのは値段なりのモンなのさ」という、分かりきった話で終わってしまうのか・・・庶民の味方ベーシックくん、お前の実力はこんなものなのか!?
そこで、ちょっとあることにトライすることにしました。
しかし、実はこれが想像以上にタイヘンなことになろうとは、思ってもみなかったのです。(もうちょっと続く)

| | コメント (13)

2010年6月19日 (土)

タミヤ ベーシックエアブラシ その2

Img_2998
注文してあった部品が届きました。
まず、こちらが接続用ジョイント。




Img_3007
一般的なS(PF1/8)サイズのジョイントがついたエアーホースとつなぐ場合の必需品です。



Img_3005
これをハンドピースに取り付けると、汎用のエアーホースがきっちり接続できます。




Img_3000
それと、エアテックスの手元で風量を調節できるアタッチメント。ちょっと高価なので廉価版でもよかったのですが、クイックプラグが3個も付属していたのと、操作がダイヤル式で使いやすそうに思えたのでこちらにしました。
本当は調節機能は必要なく、単にエアーの開閉さえできればよかったのですが、そういう製品が見当たりませんでした。

Img_3009_2
まずは、ハンドピースにジョイントとクイックプラグを取り付けます。




Img_3012
次にエアーホースにアタッチメントを取り付けます。このダイヤルが風量調節用ダイヤルですね。目印用のケガキが打ってあるので、開度が分かりやすいです。


Img_3013
ハンドピースとの接続は、カチッと押し込むだけのワンタッチ。外すときはローレットの部分を引っ張るだけ。こりゃ便利です。
また、外すとエアーが止まるので、ハンドピースを付け替えるときにホースからエアーが吹き出すこともありません。

Img_3017
余ったクイックプラグは、もちろん愛用のイワタのハンドピースにも取り付けました。

これで準備完了しましたので、実際に吹いてみることにします。(続く)

| | コメント (4)

2010年6月18日 (金)

タミヤ ベーシックエアブラシ その1

タミヤでは、かなり以前から『スプレーワーク・ベーシックコンプレッサーセット』という、エアブラシのセットを発売しています。ハンドピースとコンプレッサー合わせて1万円ちょっとですから、まあ簡易型の道具だといえるとは思いますが、非常に安価なのは確かです。
先日、用事のついでに模型量販店に塗料を買いに行ったところ、このセットのハンドピース単品が売られていました。こんなのがあったとは知りませんでした。しかも実売2,000円台でしたから、いわゆるディスカウト品ではない、メーカーもののハンドピースとしては激安です。
初・中級モデラー諸氏に役立つブログを目指すワタシとしては、これは興味津々ですよ。そこで、モノは試しにと思い切って買ってみることにしました。
もちろん、値段が値段ですから性能的に高望みはしていません。ただ、果たして使えるものなのかが無性に知りたかったのです。単なる物好きですね。

棚には「タミヤのベーシックコンプレッサーとHGコンプレッサーレボにしか接続できません」みたいな注意書きがありましたが、接続部を見たところ普通のSサイズ(PF1/8)雄ネジのようでしたので、あまり気にせず買いました。
Img_2892
パッケージも実に簡素。確かにおもちゃみたいではあります。タミヤも、自社で発行している『プラモデル製作ガイドブック』の中で、「まるで玩具のようなこの簡易型エアーブラシ」と認めてるぐらいですからね。

家に帰って、早速嬉しがってエアーホースに繋いでみました。
しかし、あの注意書きのとおり、Sサイズの雌ネジではしっかりと奥まで入りません。
「ヤラレタ!!」と思った反面、「じゃあ、わざわざ単品で売る意味ないやん?」と首をひねりましたが、説明書をよく読むとどうやら専用のジョイントがいるようです。つまり、上記のタミヤ製コンプレッサー以外に接続したい人にはこのジョイントは必須なわけで、ハンドピースと一緒に売られているべきです。残念ながら、そこらへんはやはり売りっ放しの量販店と言わざるを得ません。

また、「エアーブラシ側でエアーを止められません」とも書いてあります。つまり、エアー源をつなぐとエアーが出っ放しになるようです。
これは、このハンドピースがあくまで同社「ベーシックコンプレッサー」につなぐことを前提とした製品であるためです。
ハンドピース連動の自動スイッチやエアの逃がし弁がついていないタイプのコンプレッサーでは、ハンドピースでエアーを止めてしまうとコンプレッサーから供給されるエアーの行き場がなくなり、モーターに強い負荷がかかります。そのため、このタイプのコンプレッサーには「エアーを止めてしまうハンドピースは接続しないでください」といった注意書きがされている場合があります。
このハンドピースは元々そういうコンプレッサーに接続するための製品ですから、エアバルブが付いておらず、エアーを垂れ流すようになっているのです。

しかし、これは困りました。エアーが出っ放しでは当然コンプレッサーも回りっ放しで、うるさくて仕方ありませんし機械自体にもよくありません。また、私のコンプレッサーはタンク付きですので、スイッチを切ってもエアーはすぐには止まりません。
そこで、手元でエアーの調節ができるアタッチメントも買うことにしました。う~ん、ハンドピースは安かったけど他にいろいろ必要で、結局そこそこの出費になってしまいますねえ・・・。
とりあえず試し吹きは延期で、これらが届くのを待つことにしました。(続く)

| | コメント (0)

2010年6月12日 (土)

なんちゃってモジュレーション その3 <迷彩と影入れ>

Img_2875
とりあえず基本色でのモジュレーションをかけましたが、前にも書いたように良いのか悪いのか自分ではよく分かりません。
そこで、違う目で見てもらうためにも、IFVマルタケさんに一度見てもらうことにしました。
マルタケさんは、周知のとおり模型誌でMIG氏やアダム・ワイルダー氏といった海外モデラーの作例記事の翻訳をなさっており、当然彼らとも親しいうえ、ご自身も世界的に活躍されているモデラーです。目も肥えておられるので、こういうときにアドバイスをいただくには絶好のお方です。
本当はIFVの例会に持っていっていろんな方に感想をうかがうつもりだったのですが、急に行けなくなってしまいました。そこで、マルタケさん宅まで出向くことにしたのです。

マルタケさんも、作品写真はたくさん見ているものの実物は見たことがないとのことでしたが、とりあえず見ていただいていろいろ話をしました。その結果「アダム氏やMIG氏の作例だともっと明るいのではないか」という結論になりました。つまり、全体のトーンを少し引き上げればいいのでは、ということです。
やはり思っていたとおりではあったわけで、最暗部が暗すぎるようなんです。逆に言うと、最明部を思い切って明るく出来ないということでもあります。

私は、カラーモジュレーションとは「模型全体および一つの面の中で明暗の変化を擬似的につけて、立体感を誇張する手法」だと思っています。2次元=平面の絵画の手法を3次元=立体物の模型に取り入れて、もともと立体であるものの立体感をさらに強調する、ということでしょうか。人間の視覚は、明るい部分を「上」と本能的に判断するらしいのですが、それを利用して見る者に上下や奥行きを意識させる効果があるんだそうです。
ただ、最も明るい色=白を1、最も暗い色=黒を10とした場合、変調の幅が1から10なのか2から8なのか、それとも3から10なのか1から7なのか、そのあたりの塩梅が難しいのではないでしょうか。
私の場合は4から9ぐらいの感じでしょうか。ですのでそれをもう少し明るい側へシフトする必要があるようです。

また、マルタケさんから色についての興味深いお話が聞けました。それは「明るい色は混色では作れない場合がある」という話です。
最も明るい色は白ですが、ある色を明るくしたいときには白を混ぜればよいか、といえばそうではありません。
例えば、イエロー系は白を混ぜれば明るくなりますね。でも、赤に白を混ぜてもピンクになってしまうだけです。つまり、違う色になってしまうのです。茶色なんかもそうですよね。
したがって、赤を明るくしたければ最初から明るく作られた赤が必要で、混色では作れないのだ、ということなのです。
これは「なるほどな~」と思いましたね。大変説得力のある話でした。言われてみれば絵の具だって同じメーカーからいろんな「赤」が売られているわけですが、それらは混色の手間を省くためだけではなく、混色では得られない色なんですね。

Img_2944
ヤークトパンサーはあらかじめ迷彩塗装をして持っていきました。迷彩色を塗ると基本色の変調具合はあまり分からなくなってしまいます。
帰ってから、全体を明るく塗り重ねるとともに迷彩の各色ごとにも変調をつけましたが、大変な手間ですね。
また、最初に塗った下地を残そうとすると厚くは塗れませんが、モジュレーションは重ね塗りによって施しますので、そこで矛盾が出てきます。実に悩ましいところです。
ですので、暗部を影色を残すことで表現するのは、私にはやはり無理だと感じました。暗部も「塗って」表現したほうが分かりやすそうです。

Img_2956_2
また、一般的なモジュレーションの概念としては「上にいくほど明るく」ですが、最上部の面の変わり目にあえて影をつけてみました。発想の転換ですが、これにより面の切り替えを強く意識させ、立体感がより強調されるのではないかと思ったのです。
ま、ただのアマノジャクかも知れませんが、人の真似をするばかりでは楽しくないですからね。

| | コメント (3)

2010年6月 9日 (水)

もみじの弟

我が家の愛猫のもみじに、弟ができました。
もみじやその前の亡きコトラと同じく、捨て猫の保護活動をなさっている方から譲っていただきました。今度はオスがよいということで、まだ赤ん坊のオスをまずはとりあえずお試しで借りてきました。

Img_2906
名前はまだ決まっていません。いくつか候補はあるのですが、決定打がないのです。

基本的に怖がりのもみじですので、来た当初はそれはもうビビリまくって、とにかく離れていたい少しでも遠くにいたいモード全開でした。ご飯もノドを通らない状態で、2日ほどはもう見ていられないくらいでした。
「まあ、当然の反応ですよ」という話でしたが、「やっぱりもみたんでは無理なんかなあ・・・」と半ばあきらめて返そうかとも思っていました。

Img_2918
ところが、3日目ほどでもみじが発奮し、ここまで接近を試みます。もちろん、すぐビビッて逃げていくのですが、かなりの進展です。
やがて取っ組み合いや追いかけ合いが始まり、夜中など布団の上を走りまくるので何度も顔を踏みつけられ、危なくて上を向いて寝られませんでした。

Img_2929
こうなると状況は一気に好転。こうして仲良く食事もできるようになりました。




Img_2933_2
今ではこんな感じ。何とか仲良くなれたようです。
もみじも、友達が出来て活発に動くようになり、楽しそうに見えます。人間でもそうですが、子供ってたくましいですね。

| | コメント (4)

2010年6月 6日 (日)

キケンな缶コーヒー

先日コンビニで買い物をしたところ、くじで缶コーヒーが当たりました。
コーヒー好きの私は大喜び! 家に帰って早速飲むことにしました。
ところが、いざ開けようという時になって、缶の注意書きに目がいきました。
Img_2910
そこには、何と「振らずに、傾けずに、ゆっくりと、静止させた状態で」開けなさい、と書いてあるのです。
こんなに緊張感を強いられるコーヒーブレイクは生まれて初めてです。
この商品はボトル缶なので、開け口はプルトップではなくネジブタですが、これを守るためには、もう手に持ってカリッ、なんてことは出来ません。テーブルなどのしっかりした台に置き、もう片方の手でガッチリと支えて、慎重に栓を回さなければならないのです。
まるで爆弾処理班にでもなった気分で、これはもう立派な危険物ですね。

| | コメント (4)

2010年6月 3日 (木)

なんちゃってモジュレーション その2 <あれもこれも再塗装>

私の場合、塗装の手が遅く、途中で停滞してしまうことがしばしばです。また製作ピッチも決して早いわけではありませんし、AFV模型の場合は工作した後にまとめて塗装となることがほとんどなので、塗装から次の塗装までの間隔が長く空いてしまいます。
そのためか、なかなか上達しないのです(単にワタシがヘタなだけかも知れませんが・・・)。
そこで、タイガーで試みた「なんちゃってモジュレーションと基本色作り」を、この際もう少し続けて練習したいと思いました。

というわけで、保管してある完成品の中から「今見ると気に入らんヤツ」を引っ張り出して再塗装することにしました。
いけにえは、かなり前に作ったキングタイガーと、昨年のヤークトパンサーです。前者はダークイエローが暗すぎ、後者はウォッシングがきつすぎて暗くなってしまったもので、完成したときは満足していたのですが、後になってから見ると「なんじゃコリャ?」な作品でした。

工程としては先のタイガーに倣ってみました。ただし、今回は少し丁寧にやりたいので缶スプレーは使わないことにします。
まず、黒で塗りつぶし兼下塗りをします。真っ黒にするのでサフは必要ないと判断しました。
続いてタミヤ・アクリルのXF-64レッドブラウンで下地色をつけます。この下地色自体も面によって強弱をつけて塗ってみました。
ただ、ここで気付いたのは、同じ色でもエアブラシと缶スプレーでは塗装後の色味が違うということです。
これは塗料の色が同じではないということではなく、隠ぺい力と肌の違いによるものです。
タイガーを缶スプレーで塗ったときはレッドブラウンそのものの色になりましたが、エアブラシではもっと黒が透けて、錆び色のようになってしまいました。これがまた実に具合のいい錆び加減で、このまま錆びた戦車ということにしてしまおうかと思ったほどです。
また、缶スプレーだと一気に塗料が乗るので肌が滑らかですが、エアブラシではかなりザラザラになってしまい、後のウォッシュ工程が心配です。塗料にクリアを混ぜればよかったんですが忘れてましたよ。

基本色は、これも前回を思い出しながら色を作りましたが、前回も試行錯誤しながらでしたのではっきり覚えておらず、同じような色にはなりません。
とりあえずクレオス(水性)のクリームイエローとタミヤのカーキを混ぜた色をスタートとして、ここへXF-15フレッシュ・X-17ピンク・XF-55デッキタンなどを入れてサンド色を作ります。
ピンクとは意外かもしれませんが、色をくすませて褪せた感じにするのに大変効果的で、しかもイエローだけでなく3色迷彩色すべてに効果が出ます。ただし入れすぎないように、あくまで隠し味程度に使うのがキモです。
「?」と思われる方は、ラッカー塗料のビン底を下から見てみてください。かなりの色にピンクの顔料が使われていることが分かると思います。

Img_2876
塗った結果がこちら。
ちょっとピンクとフレッシュを混ぜすぎて、ベージュっぽい色になってしまいましたが、何事も経験です。一応カラーモジュレーションは意識してみました。ただ、パネルやハッチごとにマスキングするようなところまでは徹底していません。

Img_2878
一度に根を詰めて作業すると目が慣れてきて加減が分からなくなってくるので、一息入れながら何度かに分けて塗ると良いようです。



Img_2879
グリル部はほとんど色をつけませんでした。このほうが立体感が出るかもしれません。




Img_2880
ヤークトパンサーは、前面と側面のパネルが広いため、メリハリがつけづらくて難しいですね。結局、暗部が暗くなりすぎた気がします。



Img_2881
ピンクを混ぜすぎたことが、このハッチの色から分かると思います。
でも、ピンクは混ぜても想像するほどピンク色にはならないものです。


Img_2875_2
2台ともかなり明るく塗れていて、しかもただ白く明るいのではないことが分かるかと思います。ちょっとマヨネーズみたいでダークイエローと言える色ではないかも知れませんが、薄暗い基本色から抜け出したいという意味では狙い通りになりました。
ここから迷彩を塗っていかなければいけないわけですが、ヤークトパンサーは実車考証は無視してこのまま単色に変更しようかなと思案中です。

しかし、やっぱり塗装はやらないとウマくなりませんね。こうして、過去の作品をリメイクするのも一つの手なのかものかもしれません。

| | コメント (4)

« 2010年5月 | トップページ | 2010年7月 »