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2010年6月12日 (土)

なんちゃってモジュレーション その3 <迷彩と影入れ>

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とりあえず基本色でのモジュレーションをかけましたが、前にも書いたように良いのか悪いのか自分ではよく分かりません。
そこで、違う目で見てもらうためにも、IFVマルタケさんに一度見てもらうことにしました。
マルタケさんは、周知のとおり模型誌でMIG氏やアダム・ワイルダー氏といった海外モデラーの作例記事の翻訳をなさっており、当然彼らとも親しいうえ、ご自身も世界的に活躍されているモデラーです。目も肥えておられるので、こういうときにアドバイスをいただくには絶好のお方です。
本当はIFVの例会に持っていっていろんな方に感想をうかがうつもりだったのですが、急に行けなくなってしまいました。そこで、マルタケさん宅まで出向くことにしたのです。

マルタケさんも、作品写真はたくさん見ているものの実物は見たことがないとのことでしたが、とりあえず見ていただいていろいろ話をしました。その結果「アダム氏やMIG氏の作例だともっと明るいのではないか」という結論になりました。つまり、全体のトーンを少し引き上げればいいのでは、ということです。
やはり思っていたとおりではあったわけで、最暗部が暗すぎるようなんです。逆に言うと、最明部を思い切って明るく出来ないということでもあります。

私は、カラーモジュレーションとは「模型全体および一つの面の中で明暗の変化を擬似的につけて、立体感を誇張する手法」だと思っています。2次元=平面の絵画の手法を3次元=立体物の模型に取り入れて、もともと立体であるものの立体感をさらに強調する、ということでしょうか。人間の視覚は、明るい部分を「上」と本能的に判断するらしいのですが、それを利用して見る者に上下や奥行きを意識させる効果があるんだそうです。
ただ、最も明るい色=白を1、最も暗い色=黒を10とした場合、変調の幅が1から10なのか2から8なのか、それとも3から10なのか1から7なのか、そのあたりの塩梅が難しいのではないでしょうか。
私の場合は4から9ぐらいの感じでしょうか。ですのでそれをもう少し明るい側へシフトする必要があるようです。

また、マルタケさんから色についての興味深いお話が聞けました。それは「明るい色は混色では作れない場合がある」という話です。
最も明るい色は白ですが、ある色を明るくしたいときには白を混ぜればよいか、といえばそうではありません。
例えば、イエロー系は白を混ぜれば明るくなりますね。でも、赤に白を混ぜてもピンクになってしまうだけです。つまり、違う色になってしまうのです。茶色なんかもそうですよね。
したがって、赤を明るくしたければ最初から明るく作られた赤が必要で、混色では作れないのだ、ということなのです。
これは「なるほどな~」と思いましたね。大変説得力のある話でした。言われてみれば絵の具だって同じメーカーからいろんな「赤」が売られているわけですが、それらは混色の手間を省くためだけではなく、混色では得られない色なんですね。

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ヤークトパンサーはあらかじめ迷彩塗装をして持っていきました。迷彩色を塗ると基本色の変調具合はあまり分からなくなってしまいます。
帰ってから、全体を明るく塗り重ねるとともに迷彩の各色ごとにも変調をつけましたが、大変な手間ですね。
また、最初に塗った下地を残そうとすると厚くは塗れませんが、モジュレーションは重ね塗りによって施しますので、そこで矛盾が出てきます。実に悩ましいところです。
ですので、暗部を影色を残すことで表現するのは、私にはやはり無理だと感じました。暗部も「塗って」表現したほうが分かりやすそうです。

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また、一般的なモジュレーションの概念としては「上にいくほど明るく」ですが、最上部の面の変わり目にあえて影をつけてみました。発想の転換ですが、これにより面の切り替えを強く意識させ、立体感がより強調されるのではないかと思ったのです。
ま、ただのアマノジャクかも知れませんが、人の真似をするばかりでは楽しくないですからね。

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カラーモジュレーション塗装」カテゴリの記事

コメント

こんばんは、モジュレーションの件、興味深く拝見しております。先日モケモケ店長も現在制作中のキットの塗装でモジュレーション塗装で悩んでおいででした。個人的な意見で恐縮ですが私はこの技法には懐疑的な一人です(やってもいないのに酷い意見ですが)Bluebellさんの単色タイガー2ならばいざ知らず、迷彩塗装をしてしまってはどうなるんだろう??と思ってしまいます。でも否定をする前に先ずは自分でも何かで試してみようと思います。新しい事をされると言うスピリッツには共感するのですが・・・

投稿: ホワイトタイガー | 2010年6月14日 (月) 23時14分

ホワイトタイガーさん、こんばんは。
実は私もカラーモジュレーション塗りがそれほど気に入っているわけではありません。もちろんこれはあくまで私個人の好き嫌いの話で、この塗装法を否定するつもりは毛頭ありませんし、この方法でうまく塗られた作品は素晴らしいものだと思っています。
ただ、素人なりにとりあえずチャレンジしてみて、何か得られるものはないか探っているところです。

で、これまたホワイトタイガーさんに同感なのですが、単色塗装には比較的やりやすく効果的なのに対して、迷彩には向いていないのではないかと思います。
というか、かなりの色彩感覚と、何度も色を変えながら重ね塗りをする忍耐力および計画性が必要だ、ということは分かりました。

ホワイトタイガーさんも、単色塗装なら一度試してみる価値はあるかもしれませんよ。

投稿: Bluebell | 2010年6月15日 (火) 00時08分

おはようございます。
先日、メールをお送りしましたが、届いていますでしょうか?
もしご迷惑でなければ、週末にでもお邪魔したいのですが、いかがでしょうか?
それか、もし、夜店のコンテストに出品されるようならその時にお会いできませんでしょうか?
よろしくお願い致します。

あ、リンクもして頂いてありがとうございます。
こちらからもリンクを致しました。

投稿: かず | 2010年6月17日 (木) 07時26分

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