なんちゃってモジュレーション その2 <あれもこれも再塗装>
私の場合、塗装の手が遅く、途中で停滞してしまうことがしばしばです。また製作ピッチも決して早いわけではありませんし、AFV模型の場合は工作した後にまとめて塗装となることがほとんどなので、塗装から次の塗装までの間隔が長く空いてしまいます。
そのためか、なかなか上達しないのです(単にワタシがヘタなだけかも知れませんが・・・)。
そこで、タイガーで試みた「なんちゃってモジュレーションと基本色作り」を、この際もう少し続けて練習したいと思いました。
というわけで、保管してある完成品の中から「今見ると気に入らんヤツ」を引っ張り出して再塗装することにしました。
いけにえは、かなり前に作ったキングタイガーと、昨年のヤークトパンサーです。前者はダークイエローが暗すぎ、後者はウォッシングがきつすぎて暗くなってしまったもので、完成したときは満足していたのですが、後になってから見ると「なんじゃコリャ?」な作品でした。
工程としては先のタイガーに倣ってみました。ただし、今回は少し丁寧にやりたいので缶スプレーは使わないことにします。
まず、黒で塗りつぶし兼下塗りをします。真っ黒にするのでサフは必要ないと判断しました。
続いてタミヤ・アクリルのXF-64レッドブラウンで下地色をつけます。この下地色自体も面によって強弱をつけて塗ってみました。
ただ、ここで気付いたのは、同じ色でもエアブラシと缶スプレーでは塗装後の色味が違うということです。
これは塗料の色が同じではないということではなく、隠ぺい力と肌の違いによるものです。
タイガーを缶スプレーで塗ったときはレッドブラウンそのものの色になりましたが、エアブラシではもっと黒が透けて、錆び色のようになってしまいました。これがまた実に具合のいい錆び加減で、このまま錆びた戦車ということにしてしまおうかと思ったほどです。
また、缶スプレーだと一気に塗料が乗るので肌が滑らかですが、エアブラシではかなりザラザラになってしまい、後のウォッシュ工程が心配です。塗料にクリアを混ぜればよかったんですが忘れてましたよ。
基本色は、これも前回を思い出しながら色を作りましたが、前回も試行錯誤しながらでしたのではっきり覚えておらず、同じような色にはなりません。
とりあえずクレオス(水性)のクリームイエローとタミヤのカーキを混ぜた色をスタートとして、ここへXF-15フレッシュ・X-17ピンク・XF-55デッキタンなどを入れてサンド色を作ります。
ピンクとは意外かもしれませんが、色をくすませて褪せた感じにするのに大変効果的で、しかもイエローだけでなく3色迷彩色すべてに効果が出ます。ただし入れすぎないように、あくまで隠し味程度に使うのがキモです。
「?」と思われる方は、ラッカー塗料のビン底を下から見てみてください。かなりの色にピンクの顔料が使われていることが分かると思います。
塗った結果がこちら。
ちょっとピンクとフレッシュを混ぜすぎて、ベージュっぽい色になってしまいましたが、何事も経験です。一応カラーモジュレーションは意識してみました。ただ、パネルやハッチごとにマスキングするようなところまでは徹底していません。
一度に根を詰めて作業すると目が慣れてきて加減が分からなくなってくるので、一息入れながら何度かに分けて塗ると良いようです。
グリル部はほとんど色をつけませんでした。このほうが立体感が出るかもしれません。
ヤークトパンサーは、前面と側面のパネルが広いため、メリハリがつけづらくて難しいですね。結局、暗部が暗くなりすぎた気がします。
ピンクを混ぜすぎたことが、このハッチの色から分かると思います。
でも、ピンクは混ぜても想像するほどピンク色にはならないものです。
2台ともかなり明るく塗れていて、しかもただ白く明るいのではないことが分かるかと思います。ちょっとマヨネーズみたいでダークイエローと言える色ではないかも知れませんが、薄暗い基本色から抜け出したいという意味では狙い通りになりました。
ここから迷彩を塗っていかなければいけないわけですが、ヤークトパンサーは実車考証は無視してこのまま単色に変更しようかなと思案中です。
しかし、やっぱり塗装はやらないとウマくなりませんね。こうして、過去の作品をリメイクするのも一つの手なのかものかもしれません。
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コメント
タイガー1に続いてキングタイガーとヤークトパンサーもリペイントですか・・なかなかカラーモジュレーションは難しいですね。マルタケインターナショナルのTさんがサイトで興味深いことを書いてますね。「指定のカラーは参考程度で任意の色調を再構築・・」とは・・考えれば考えるほど眠れなくなってしまいます(笑)
投稿: ふぁっとまん | 2010年6月 3日 (木) 20時11分
ふぁっとまんさん、こんばんは。
あの記事は私も拝読しましたが、たしかにそういうことなんですよね。一つの面の中で色調を変えつつも、全体の色調は統一しなければならないのがこの塗装法の難しさです。ビンのままの塗料の色を基準にしようとしても、最終的には色調が変化してしまうので、あてにはならないということです。
つまり、全体として「それらしく見える色」を自分で作らないといけないのですね。他人の作例の色調を追いかけることに執着すると、アリ地獄にはまるような気がします。コピーが難しい技法、とでも言えるでしょうか。
私の場合、特にこの「カラーモジュレーション技法」が気に入っているわけではないので、(出来る出来ないは別として)マスターしようと思ってやっているわけではありませんが、試行錯誤することでとてもいい勉強にはなっています。
投稿: Bluebell | 2010年6月 3日 (木) 20時52分
Bluebellさんこんばんは。
塗装のドゥンケルケルプは今までガイアをそのまま使ってたりであまり意識しておりませんでした。ピンクを使うなんて~。これはいいことを教えてもらいましたよ。次の機会に是非真似させてもらいます。
投稿: hiroz | 2010年6月 4日 (金) 00時24分
hirozさん、こんにちは。
ガイアのゲルプは、確かにリアルな色なのかもしれませんが、模型にそのまま塗るにはやはり暗いですよね。
ちょっと思い切って明るくしたほうが、模型栄えはすると思います。
要は、どこまでウソの色が許されるか、てことじゃないでしょうか(変な言い方ですが)。
投稿: Bluebell | 2010年6月 4日 (金) 09時59分