アネスト岩田のエアブラシ その2
どんなハンドピースでも、常によい噴霧状態をキープするためには使用後の分解洗浄が欠かせません。その際、面倒かつ細心の注意が必要なのがノズルの脱着なのですが、この『エクリプス』には大変ユニークな特徴があります。それは「ドロップインノズル」という構造です。
先にニードルを抜いてから(と言いつつ、しっかり抜き忘れてますね、絶対ダメです)、ノズルキャップを外します。
先端のノズル内を洗浄するためには、ノズルを外さなければいけません。それには普通は付属のスパナを使うのですが、これが少々面倒です。また、取り付けの際に締めすぎるとネジ山を傷めますし、逆に締め付けが足りないとエアーが逆流してしまいます。
エクリプスの場合は、ここから・・・
指でつまんで・・・
引っこ抜くだけで、ノズルが外れてしまいます。つまり、はめ込み式ノズルなのです。
ただはめ込むだけなので、当然ネジ山はありません。そして、反対側をノズルキャップで同様に押さえています。これだけでピタッと密着してエアーが逆流することもないのです。私は技術屋ではありませんからよくは分かりませんが、高い加工精度が要求されるのではないでしょうか。
この構造のおかげで、ノズルの洗浄が苦になりません。使用後は必ず洗いますし、使用中に目詰まりを起こしてしまったときも手早く洗えます。
ノズルキャップは3分割になっています。
このうち、一番根元(写真右端)の部品をよく見ると、ノズルが通る中心の穴の周りに、小さい穴が3ヶ所開いています。
こんな感じで、もちろん貫通しています。これは、エアーの吹き出し口なのです。
このように、ノズルを包み込むようにエアーが出るので、ノズルの周囲に均等に負圧がかかって噴霧の粒子が細かくなり、また風流の収束もよいので飛散が少ないのでしょう。
先にも書きましたが、これでもこのメーカーの中級機種なのです。定価も1万円程度で、他メーカーと比べて特に高価というわけでもありません。
ANEST IWATAアネスト岩田 HP-SBSエクリプス・エアーブラシHP-SBS(0.3mm口径・容器1.5ml・サイドボトル)MEDEA アネスト岩田キャンベル CAMPBELL エアブラシ
となれば、上級機や1本3万円もする最高機種ならどんなものなのか、大変に興味深いです。ちなみに、最高機種の『カスタムマイクロン』は、ノズルだけでも4,000円(!!!)くらいするそうです。どれほど高精度なのか、私ごときでは想像もつきません。(続く)
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コメント
Bluebellさんこんにちは
ここまで見ているだけで「アネスト機」が欲しくなりました。非常にユニークで、しかも合理的な機構を持っているんですね!これは非常によさそうです!レポートまだまだ楽しみにしています!
投稿: ホワイトタイガー | 2010年6月26日 (土) 12時00分
ホワイトタイガーさん、こんにちは。
ここまで詳しく岩田機を説明したのは初めてだと自負しております。あの仙波堂さんでもここまでは書いてなかったでしょ? 道具の良し悪しは使った人しか分かりませんからね。やっぱりいいものは紹介しないと。
ぜひ上級機を買ってレポートしてください(拝)。
投稿: Bluebell | 2010年6月26日 (土) 12時32分