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2010年2月15日 (月)

直線番長スタイル

Img_1417アーマーモデリング125号を買いました。
特集は「気軽に作れる戦車模型」。要は「ムズカシイ理屈抜きにプラモを作りましょうよ」ということらしいです。
最近のメディアは、ちょっとハウツーものに走りすぎてる傾向があるなあ、とは感じていました。
ハウツー記事やDVDは、どのように模型を作っていいか分からない初心者や、ちょっとしたヒントを欲しい人にとってはたしかに強い味方です。その一方で、逆に「模型はこうやって作ることになっている」「よい作品とはこういうものだ」「よい作品と言われたかったら、こういうことをしていなければいけない」という固定観念を植え付けかねない、いわば諸刃の剣でもあります。
私自身も、小さなパダワンである少年リックに塗装を教えるときに、「まずこげ茶色で影色を塗ってから基本色を・・・」なんて当たり前に言っていたりして、マニュアル化されていることに気付いたりします。相手はまだ塗装を始めて間もない中学生ですよ。

余談ですが、先月号の「初めてのフィギュア」も、記事そのものは良かったのですが、やはりマニュアル通りの、初めてというにはかなり高度な内容で、「車輌単品ならコンテストで賞をとれるくらいになったから、一度フィギュアも挑戦してみるか」といった人にとっての「初めて」だったように感じました。

Img_1419
さて、今号の記事を読んでいて、ふと「これって、僕がブログで提唱(大げさ?)してきた、“直線番長スタイル”やん!?」と思ってしまいました。やっとメディアがついてきた、ってことでしょうか。( ̄ー ̄)

今制作中のドラゴンタイガーにはエッチングパーツがふんだんに付属しています。今のところフェンダーを作りましたが、実際にはプラパーツを使いました。
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この状態だとエッチングパーツのほうが何か「説得力」がありますが、実はサフをかけたらアラだらけで、プラパーツのほうがずっと精密に見えたからです。

もちろん、雑誌はただ敷居が低いだけではダメで、素晴らしい作例や高度な技術の紹介は大切です。
でも、顕微鏡で覗きながらフィギュアの眼を塗るなんて、一体どれだけの人が参考にするのでしょうか。顕微鏡で見て塗れた顔は、完成後も顕微鏡で見なければ見えないということです。

こういう、いわば「模型道」を否定するわけではありません。作品も、私ごときには到底真似の出来ない高みに達した素晴らしいものです。
でも、こうしたものばかりが素晴らしく、皆これを見習わなくてはいけないというわけでは決してないでしょう。模型は人が作るものですから、作る人の数だけ作風があるはずです。

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これは、2年前に作った拙作のタイガーⅠ極初期型です。牽引ロープの銅製ワイヤーと、一部に他のキットのジャンクパーツを使った以外は、ほぼ素組みです。


Img_1441
車体横のロープはキットのプラパーツですし、もちろんキャタピラだってベルト式です。ウェザリングも、かなり軽めです。
でも、個人的にはとっても気に入っているのです。

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こちらは、もっと前に妻にプレゼントするのに作った、悪役1号です。
今号の作例で、缶スプレーを使った塗装を仲田師匠が紹介されていますが、この作品も細部以外はすべて缶スプレーのみで行い、エアブラシは使っていません。というより、それを目的に塗ったものなのです。キャタピラも同様です。
Img_1451
記事の中で、2色のスプレーを使って塗装をされてますが、ワタシもこの作品でそれをやってます。しかも、乾く前に塗り重ねて自然なグラデーションを作ろうとしているところまで同じです。
私はこの作品で、全部で4色の缶スプレーを使いましたので、塗料代は高くつきました。
でも、エアブラシがなくてもこの程度なら塗れてしまうのです。
また、この作品ではウォッシングをしただけで、ウェザリングをしていません。特にする必要を感じなかったのです。生意気なようですが、こういうのも一作風としてはアリではないでしょうか。

妙なプレッシャーや「作らされ」とは無縁の“直線番長スタイル”。初・中級者のみなさん、一緒にいかがですか?

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コメント

こんにちわ~はじめまして!?
雑味屋です。
自分のブログはココにあります。 暇があればどうぞ
http://zatumiyamokei.cocolog-nifty.com/blog/

あとエッチングパーツにサーフェイサー(以下サフ)
を吹くとアラで見かけが精密じゃなくなるなんて
おっしゃってますが、 メタルプライマーを使って
みてはいかがでしょうか?
自分はまだ使っても持ってもいませんが(オイッ!)
表面にコーティングみたいのが施されるそうです。
要は透明なサフ?
あとここに書かせては悪いんですが、
AM2月号に自分のコメントが載ってます。
(名前はちょっと言えませんね^^v)

あとですね、ポリキャタピラは、
ピアノ線とか真鍮線などの丈夫なものを使い、
たるませたいところにピンパイスであなを開け、
(両方)そこに真鍮線などのものを通します。
そうすればたるませることができます。
あとは目立たないようにマッキーなどで塗ってやるといいです。
長文失礼いたしました。

投稿: 雑味屋 | 2010年2月18日 (木) 20時48分

雑味屋さん、いらっしゃいませ。
エッチングパーツ云々については、サフがよくないのではなく、サフを吹いたことによって制作のヘタなところが丸出しになってしまったということなんです。接着剤がはみ出たりとかしてまして・・・。

またプライマーとサフは似て非なるものです。プライマーは塗料の接着性が悪いものに塗装する際に、塗料のハガレを抑えるために塗る下塗り剤のことで、金属用以外にもガラス用とかいろいろありますよ。
ちなみに、タミヤのサフはプライマー機能を持ち合わせています。

投稿: Bluebell | 2010年2月18日 (木) 22時21分

こんにちわ~
へぇ~そうなんですかぁはじめて知りました。
プライマーは塗料の食い付きと接着力を高めるモノなんですね
自分はサフなんて吹いたことありません(笑)
スプレーカンメインにやってますからサフなんて吹いたらせっかくのモールドが完全に死んでしまいます。

これからどうぞよろしくお願いします o(_ _)oペコッ

投稿: 雑味屋 | 2010年2月19日 (金) 19時10分

雑味屋さん、こんばんは。
サーフェイサーは、隠ぺい力が強く下地を隠す性能に優れています。
そのため、金属パーツやパテを使った際にそれらの色を隠し、全体の色を揃える目的で使用するのが普通です。
逆に、それらを使わず全体が成型色一色で統一されている場合は、特に使う必要はありません。

また、サフを吹くことでモールドがつぶれるようであれば、それはちょっと吹き過ぎです。それでも、上記のように吹く必要があって、やはり吹き過ぎが心配なようであれば、タミヤの「ファインサーフェイサー」をお勧めします。キメが細かいので、その分隠ぺい力は弱めですが、モールドが埋まる心配はまずありませんので、私も愛用しています。

投稿: Bluebell | 2010年2月19日 (金) 20時41分

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